下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤では、足の静脈が太くなり、モコモコと瘤のように膨らみ、 曲がりくねって浮き出てきます。

心臓から足に送られた血液は、足の運動により心臓に戻ります。足は心臓よりかなり下にあり、血液が重力に負けて下の方に引かれ、逆流しないように食い止めるためのバルプ(弁)がついています。

足の付け根や膝の裏など太い静脈への合流部にあるバルプ(弁)は、特に腹圧を受けやすいため壊れやすいです。これが壊れると血液が逆流して、足の下の方に血液が溜まってしまいます。すると静脈が膨らんで、瘤(コブ)が出来てしまいます。この膨らんだコブは自然に治ることはなく、最初はそうめんくらいの細いものだったものが、さらに悪化するとモコモコとしたうどんくらいの太さに膨らんだり、曲がりくねってきます。こうなると美容的にも問題となって人には見せたくない足になってしまうこともあります。最初は無症状ですが、しばらくしてくると足のだるさやむくみ、かゆみ、湿疹といった症状が現れ、進行すると皮膚硬化や色素沈着、さらには潰瘍形成に至ることもあり、このような治りにくい皮膚病が出現していない比較的軽症のうちに治療をすることが望ましいとされます。
なお、この下肢静脈瘤はおよそ6人に1人に発症するという日本での研究結果もあり、かなり頻度の高い疾患と言えます。

下肢静脈瘤の主な症状

  • 足の血管が浮き出ている
  • 瘤のようなものがある
  • 血管がモコモコしている
  • 脚がつる
  • むくむ
  • 疲れやすい
  • 皮膚が変色した
  • 肌が一部黒ずんでいる
  • 皮膚炎や湿疹になりやすい
  • なかなか解消しないかゆみがある
  • 静脈に沿うように炎症や痛みがある

こうした症状があったら、下肢静脈瘤の可能性があります。

下肢静脈瘤の症状はさまざまです。初期症状はほとんどありませんが、進行すると「足のだるさ・疲れ」「足のむくみ・腫れ」「足のかゆみ」「足の痛み」が出現します。さらに進行すると「うっ滞性皮膚炎」「皮膚硬化・色素沈着」が生じ、最悪の場合は「皮膚潰瘍」ができることもあります。

下肢静脈瘤の
セルフチェック

下記の症状を確認し、受診すべきかを確認しましょう

A,見た目のチェック

  • 足を見た時の違和感
  • 青い血管が網目のような状態で浮き出る
  • 血管が瘤のようにモコモコと浮き出ている
  • 血管の色が、赤色や紫色になり目立つようになった

B,症状のチェック

  • 足の不快感
  • 足がだるい/疲れやすい
  • 足が重い/痛い
  • 足がむくむ
  • 足がかゆい/ほてる
  • 足がつる/夜中にこむら返りを起こす
  • 生理中に足の痛みが強くなる

C,皮膚のチェック

  • 皮膚の症状
  • 足に茶色や黒のシミができた
  • 足の皮膚がカサカサ、ボロボロになっている
  • 足の湿疹がなかなか治らない
  • 足の皮膚に黒ずみがあり、硬くなってきている
  • 足に傷や潰瘍ができ、治りにくい

上記に当てはまる方は、一度受診をおすすめいたします。
特に、Bの症状でも週に2-3回と頻回に感じる方やCの症状がひとつでもある方は、早めの受診が望ましいと思います。

静脈瘤ができやすい方

性別 女性
年齢 年齢を重ねるに従って静脈瘤の頻度は増加
遺伝 親や姉妹に静脈瘤がある
妊娠分娩 妊娠、分娩がきっかけ。特に2度目以降の妊娠と分娩
立ち仕事 立ち仕事は発症しやすく、進行しやすい。男性の静脈瘤では立ち仕事の頻度が高い。